過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第20章 エルドの恋愛相談室
暫くすると、やっと落ち着きを取り戻したナナシから
「すまぬ、迷惑を掛けた」と謝罪を受けた後、
様々な事情を説明されたエルドは頭を抱える羽目になった。
―――曰く、撃たれた傷が治らない内にエルヴィンに無理矢理抱かれた挙句、
距離を取ろうとしたら自殺紛いの事をされて、
以前と同じような関係に何とか戻したものの
ナナシがちょっと他の男とスキンシップしたりすると
嫉妬心を露わにして、束縛しようとするらしい。
しかも隙あらば抱こうとしているというオマケ付き。
見損ないました、団長!!
その叫びを声に出さなかっただけ褒めて貰いたいと思うくらいに、
エルドの(精神的)ライフポイントは削られた。
エルド的には聞きたくなかった事実まで聞かされ、
より一層ナナシへの同情心が芽生える。
強姦されて無理矢理連れ戻されたなんて、エルドは初耳だ。
仲の良いリヴァイ班の連中にも到底言えるものではない。
特にペトラに言ってしまったら大変な事になるだろう。
エルドは今聞いた話を墓場まで持っていく覚悟で、
ナナシと対峙する。