過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第19章 八割まで戻せ
「おい、血が吸えぬであろう。大人しくしていろ」
「悪かった。条件反射でつい動いてしまった」
ミケの条件反射は一体どうなっているのだろうかと
疑問に思いながら、ナナシは気を取り直してミケに口付ける。
リヴァイの時と同様、室内にクチュクチュと卑猥な音が響いた。
次第にミケの額から汗が出始め、息も荒くなってきた為、
ナナシは吸血を一時中断する。
「大丈夫か?ミケ」
「・・・正直おまえの色香に当てられて辛い」
色香と言われてもナナシにはよくわからないので首を捻っていると、
「早く終わらせてくれ」とミケから請われ作業を急ぐ事にした。
だが、ミケの唇に触れる直前で首根っこを掴まれ、
ナナシは椅子から引き摺り下ろされた。
「これ以上、私の前で浮気は許さないぞ、ナナシ」