過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第19章 八割まで戻せ
「お主にそんな事指図される云われは無いわ。
本当に口を開くと残念な男だな」
「君になら踏まれることも吝かではないが、今は私の話を・・・・」
ナナシはエルヴィンの話を聞く前に、
エルヴィンの猿轡を元に戻し、ミケに向き直った。
「さて・・・ミケは首筋で良いか?」
「いや、俺もリヴァイと同じコースで・・・」
「コースって何だ?コースって。私は風俗ではないぞ。
下半身は自分で何とかしてくれ。お主のはでかすぎて無理だ」
ピシャリと断られ、ミケは残念そうな顔をしながらも
荒ぶった下半身は自分で何とかするから、
血を吸うのは口の中で・・・という取引を持ち出した。
ナナシとしては安全に血を貰えれば問題ないので、
ミケの取引をあっさり飲んだ。
部屋の隅でエルヴィンがバタンバタンと海老のように暴れているが、
気にしたら負けである。
リヴァイの時のように膝に乗り上げ、
ミケの口内に侵入すると彼の舌がナナシを攻めて来たので、
思わず頭を叩いた。