過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第19章 八割まで戻せ
「確かにリヴァイの言う通り、ナナシの舌技は絶妙だったな・・・」
ピタリと止まった二人はギギギ・・・という効果音が
出そうな動きでミケを見遣る。
「おい・・・そりゃどういう意味だ?」
「まるでおまえがナナシの口淫を体験した事がある口振りに
聞こえるが・・・」
「・・・・・・・やってもらった事がある」
しれっと答えたミケに二人は怒りの矛先を変えた。
「ざっけんなよ、ミケ!いっつもてめぇは良いとこばっか取りやがって!」
「いつだ!?いつそんな事をやってもらったんだっ!?」
「・・・・腕輪作るのにシャワー室にナナシが来た時だ」
それを聞いた瞬間、リヴァイとエルヴィンは顔面蒼白になり
「あの時か!」と地団駄を踏みたくなった。
ナナシが調査兵団に来て少し経った頃に、
既にそんな事をさせていたとは・・・!とミケを殴りたくなったが、
生憎全員縛られたままなので実行する事が出来ない。
怒りで人を殴れたら・・・と考えていると
ナナシが帰ってきたので、エルヴィンがすかさず声を上げた。
「ナナシ!もうこれ以上私以外のイチモツを咥えることを禁止する!!
どんな事情があろうともだ!」
それを聞いた瞬間、ナナシの顔が不機嫌そうに歪み、
床に転がっているエルヴィンを踏みつけた。