過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第19章 八割まで戻せ
「おい、エルヴィン邪魔すんじゃねぇ!そこで黙って転がってろ!」
「んー!んー!!」
殺気漲る表情のエルヴィンは正直恐いが、
ナナシはエルヴィンを退かしてリヴァイに対峙すると、
彼の膝に乗り上げその口に齧り付いた。
出来るだけ痛くない場所に歯を立てると、
リヴァイから艶めかしいくぐもった声が僅かに上がる。
口内を切って血を吸っていると、リヴァイの息が次第に上がり始め、
その白い頬も赤く染まった。
息が出来ないと大変なので途中休憩を挟もうと口を離すと、
すぐにリヴァイから「離すな」というように齧り付かれて
濃厚なキスをお見舞いされ、ナナシもそれに応えるように
口を重ね続けた。
室内にはクチュクチュという卑猥な音とくぐもった声、
そしてエルヴィンの唸り声しか聞こえない。
一人分の血を摂取し終わる頃、
ナナシはリヴァイの身体の変化に気づき、
視線を下に落とした。