• テキストサイズ

過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第19章 八割まで戻せ










「やぁ、会議はもう済んだ?」


顔を覗かせたのはナナバで、その手にはお菓子が乗ったお皿と
お湯を淹れたポッドがあった。

時計を見れば針は午後三時を示していて、
どうやらナナバは休憩を入れようと誘いに来たらしい。


「今一段落したところだ」


ミケが席を立ってナナバの手からポッドを受け取り室内に招き入れると、
ナナバが「ありがとう」と言って破顔した後、
部屋の外に向かって「早く中に入っておいでよ」と後方に呼び掛けた。

いつまで経っても部屋に入ってこない人物に
痺れを切らしたリヴァイが席を立ち、
廊下に出てその人物を引き摺るように連れてくると
エルヴィンはパァァっと表情を明るくする。


「ナナシ、来てくれたのか。嬉しいよ」

「・・・・ナナバにお茶に誘われて着いて来たら・・・
ここに辿り着いた。嵌められた」


不本意だと不満を漏らすナナシの背中をナナバが笑顔で押した。


「良いから、良いから、久々にナナシの花茶が飲みたいんだ。
淹れてよ六人分」

「・・・・・わかった」


これはもう何を言っても無駄だとナナバの笑顔を見て判断したナナシは、
渋々花茶を淹れることにした。

お茶を淹れる為ちょこちょこ動き回るナナシを
エルヴィン達は微笑ましく思いながら見つめる。





/ 403ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp