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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第16章 襲われる












怪我をして運ばれた四人の兵士の元へ向かうと、
意識を取り戻していた四人はガタガタと何かに怯えたように震え、
ブツブツと何事かを呟いていた。


そして団長であるエルヴィンを認識すると、
「あんな化物は今すぐ処分すべきです!」と捲し立ててきた。

あれは人間じゃない!巨人と同じ化物です!
突然自分達に襲いかかってきて食らおうとしたのです!
と縋り付いてくる四人にエルヴィンは冷たい視線を投げながらも
何があったか尋ねる。




四人曰く――――
彼らが廊下を歩いていたら前方から歩いてきたナナシが
突然襲い掛かってきたので、仕方なく反撃したとの事だ。

その際縺れ込んで空き室に入ってしまい、
たまたまそこに置いてあった縄で両腕足を縛ったが、
人間とは思えない力でそれらを引き千切り、
自分達を斬りつけたのだと。


「きっと団長に振られた鬱憤で、俺達に八つ当たりを・・・っ!」

「そうに決まってる」

「団長はもっと違う女を連れてる方が似合ってるもんな」

「そんな話してたら襲い掛かって来たんだよな?」


四人は口裏を合わせるように頷き合い、
エルヴィンに頻りにナナシを兵団から追い出すように進言してきた。


ハンジが怒りの形相で今にも四人を殴りつけようとしているのを
目の片隅に捉えながら、エルヴィンは抑揚のない声で四人に告げる。


「そうか、君達の進言を心に留めておこう」


エルヴィンがそう言うと、四人は安堵の表情を見せたが
「ところで・・・」と話の続きを始めると、さっと顔色を変えた。







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