過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第14章 筋肉ゴリラ共・・・
「ねぇ、ナナシが言いたくないものを無理矢理言わせる必要が
そんなにあるのかな?確かに私も何でナナシが
私達を避けるようになったのか気になるよ?
でも、それを知ってもどうしようもなかった場合は?
今重要なのは、ナナシにそれを言わせる事じゃなく、
以前のように仲間として接して貰うことなんじゃないかな?
今のままじゃ余計距離を置かれて心が離れていくだけだと思うんだ」
違う?と聞かれてエルヴィン達は言葉に詰まった。
確かにナナバの言う通りだ。
尋問ばかりしていてナナシに距離を置かれるような
酷いことばかりしていたような気がする。
大事なのはナナシに以前のように調査兵団で過ごしてもらうことであって、
酷い事をしたい訳じゃない。
「君の言う通りだ、ナナバ。我々は少し冷静さを失っていたようだ」
ナナシが戻ってきた喜びと、
今度は何としても捕まえておきたいという想いばかりが
暴走して大切なことを見誤っていたと反省するエルヴィンに、
ナナバは同意するように頷く。
「じゃあ、これから無理矢理ナナシに聞かないって事で良い?」
「あぁ」
「了解だ」
「うん」
「そうだな」
エルヴィン、リヴァイ、ハンジ、ミケから了承が返ってきたので、
ナナバは「この話はこれでおしまい」と話を纏めて
地下牢から去ってしまった。
ハンジも「もしも明日ナナシが動けそうなら、ここに連れてくるよ」と言って
去ろうとしたが、巻き込まれて牢屋に入れられたリヴァイが
我に返り引き止める。