過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第14章 筋肉ゴリラ共・・・
「じゃあ、事情聴取を始めるよ、ミケ。
貴方はナナシの股間を潰す勢いで握った・・・これ事実?」
「・・・・・あぁ、事実だ」
「どうして?」
「ナナシに・・・事情を聞こうと思った。だが、
『ミケには関係無い』と突っぱねられ、カッとなった。
ナナシの体術を警戒して抑え込んだは良いが、
殴るわけにもいかず、男ならそこを握られれば
すぐ音を上げると思った。結局、理由も聞けず返り討ちに遭って
股間を攻撃され全治一週間の怪我をしたのは俺の方だった」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・うん、大体事情はわかったよ」
エルヴィン、リヴァイ、(何故かハンジも)は、
青褪めながら自然と前屈みになって自身の股間を抑えた。
ミケがやった事も酷いが、容赦なく股間を蹴ったナナシも相当酷い。
男はそこを蹴られると致命的なのだ。
顔色一つ変えず、ナナバは事情聴取を終えると男性陣に向かって
凄絶な笑みを向けて言い放った。
「うちを『強姦兵団』にする気?この馬鹿男共。
今すぐ股の下にぶら下がってるモノを削いでやっても良いんだけど?
どうする?」
笑っている癖に虫ケラを見るような蔑みの眼差しを向けてくるナナバに
男性陣は身を竦ませ、勢い良く首を横に振った。
本能でナナバが本気で削ごうとしているのがわかる。
全員が黙ったのを確認したナナバは呆れたように大きく息を吐いた後、
いつもの彼女に戻り皆に語り掛けた。