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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第13章 一生許さないで









「君が私を許してくれるまで、私はここを出るつもりはない」

「・・・・っ!?」



何を言っているのだ、こいつはっ!?
強姦されて許せる人間がいるならお目に掛かってみたいものだ。


ナナシは険しい表情でエルヴィンを見据える。


「私はお主からまだ謝罪の一つも受けていないのだが・・・・?」

「俺は君を抱いた事について悪いと思っていない。
だからその事について謝るつもりはない」

「・・・なっ・・・!?」

「・・・ただ、傷が開くまで抱いてしまった事に関しては
申し訳なく思っている。すまなかった、ナナシ」


あまりの言葉にナナシは絶句したままエルヴィンを凝視する。


強姦した癖にエルヴィンはそれを悪かったと思っていないと抜かしたのだ。

ナナシに怒りの感情がフツフツと湧き上がる。


「ふざけるなっ!!お主なんぞ一生許さぬっ!!
絶対一生許さないっ!!」


ナナシがそう言って怒鳴りつけると
エルヴィンは何故か目を細めて笑った。


何がそんなにおかしいのだと、また怒鳴ろうとした時、
エルヴィンが静かに口を開く。


「一生許さなくて良いよ、ナナシ。だって、それはつまり
君が生きている限り、俺という存在が君の心の中に
生き続けるという事だ。俺にとって許しを得るより
そちらの方が価値がある。無関心でいられるより
憎まれても君の心の中に生き続けたい・・・・。
ナナシ、愛しているよ」

「・・・・・・・・・っ!!」


格子の合間から手を伸ばされ、ナナシは反射的に身を引いた。

エルヴィンの手は空を切り、ナナシに届くことはなく、
彼は悲しそうに微笑んだ。


エルヴィンのそんな顔を見たくなくて、
ナナシは「もう一生そこにいろ!!愚か者!」と叫んで
地下牢を後にした。





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