過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第10章 眷属達の想い
「ボク達は貴方達の事が知りたいんですよ。
どういう人なのかを・・・」
「何のために・・・?」
「ボク達にとってナナシちゃんが全て・・・。
その全てである存在が貴方達に興味を持っているから知りたい。
理由はそんなところです」
ニコッと笑ったイサザは無邪気そうに見えるが、
実は鋭いのかもしれない。
『天然』という渾名は変えた方が良い気がする。
彼らはエルヴィン達を試す気なのだろう。
どの道エルヴィン達に勝負を受けない選択肢は無かった。
これはナナシを探し出すチャンスなのだ。
「その勝負を受けよう。私はチェス、リヴァイとミケは酒の飲み比べ、
ハンジとナナバはトランプで・・・」
「わかりました。ではスミス様、此方のお席へ」
それぞれが持ち場に着き、ルールを聞かされた。
二時間以内にジャック達を負かせばエルヴィン達の勝ち、
二時間以内に負かせられなければエルヴィン達の負けだそうだ。
チェスとトランプは何回勝負しても良くて、
二時間後何勝出来たかで勝敗を決するらしい。
リヴァイとミケは共にザルやウワバミなので負けることは無いだろう。
トランプ勝負は相手がどの程度の実力なのかわからないので、微妙だ。
チェスは負ける気はしない。
エルヴィンは策略を練るのが得意な事もあって
頭脳戦には自信がある。