第5章 05.新しい家族
『酷いよ、つば兄…私の事は遊びだったの…?』
私はつば兄の目の前に駆け寄ってつば兄を見上げる。
ついでに目を潤す。
椿「…ああ、そうだ。俺が本当に好きなのは…梓、なんだ。」
『そんな…!じゃ、じゃあ、証拠を見せてよ!』
私がそう言うと、つば兄はあず兄の頬にちゅっとキスをした。
ここまでやるか…。
『…っ!酷いよ、つば兄!』
私はその場を去った。…フリをした。
梓「はい、そこまで。凌香出てきなよ」
梓は呆れた表情でこちらを見る。
私は満足気にみんなが居るところへ戻る。
お姉ちゃんは混乱しているようで、つば兄と私を交互に見ている。
あはっ、お姉ちゃん超かわいい!
昴「つば兄とあず兄は声優なんだ」
絵「せいゆう…?」
『そ。声優。アニメとかの。』
絵「ああ…!」
やっとお姉ちゃんの脳内が整理されたみたい。
椿「しっかし、凌香演技上手いな!」
梓「うん、僕も驚いたよ」
昴「どこで取得したんだよ」
『え、そう?才能あったりしてー』
椿「俺、あの涙目にヤられそうだったし!」
つば兄がそう言うとぎゅうっと私を抱きしめる。
ぐえっ、夕飯が出る…っ!
ーーボカッ
椿「ってぇ〜!」
梓「つ・ば・き?凌香が苦しがってるからやめようね?」
もう、本日何度目?ってくらい、この状況を見ているきがする。
『あ、お姉ちゃん、お風呂入るんでしょ?』
絵「え?あ…そうだった。入ってくるね」
椿「俺も入…分かった分かった!もう俺がバカになっちゃうだろ!」
あず兄が台本の角でつば兄の頭を殴ろうとし、さすがに命の危機だと思ったのか、つば兄はお姉ちゃんから離れた。
『つば兄のこれ以上バカにならないから大丈夫だよ』
椿「うわ!ひでぇ!」
私は思わず笑ってしまう。
『あー、もう!笑わせないでよ!』
絵「ほんと、可笑しい…っ」
どうやらお姉ちゃんもツボに入ったしく、二人してしばらく笑っていた。
『ほっぺめっちゃ痛いー』
絵「お腹も痛い」
『ね。もう、可笑しいよ』
椿「キミら笑いすぎ!」
なんて言ってるつば兄もあず兄もすば兄もつられて笑ってたくせにー。
あー、もう…幸せだなぁ。
こんな優しくて可愛いお姉ちゃんも出来たし、またこれからが楽しみだな…!
明日からの部活がんばろっ!