第1章 01.怒涛の日々
ここに通い始めてからもう3年目になる。
正直、この1年間は怒涛の1年だった。
やっとその生活にも慣れ、楽しい日々を過ごすことが出来るようになった。
そして今日、私はここの3年生になる。
風「ねえ、いつまで突っ立ってるつもり?」
『え?あー、ごめんごめん。行こっか』
私は隣の彼と共に校門をくぐった。
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始業式が終わり、私は同じクラスになった風斗と共に教室に戻っていた。
風「あー、めんどくさ。」
『まぁまぁ、そんなこと言わないの。今日これから仕事でしょ?』
風「あんたはいいよね。暇人で。」
風斗はいつものように憎まれ口で言う。
流石に1年も一緒にいれば私も慣れる。
『暇人で悪かったねー』
私も負けずと言い返すと彼は歩く足を早め、教室に入っていく。
私もそのあとを追って教室に入る。
それから、軽く自己紹介と先生からの挨拶が終わると、風斗は早々と帰る準備をする。
風「あんたはまだ帰んないの?」
『うん。ちょっと友達に呼ばれてるから。』
風「そう。じゃ、僕は行くから。」
『じゃーね!』
風斗はそう言うと私に背を向けて行ってしまった。
理「凌香!おまたせ!」
『理恵。で、用事って何?』
理「うん、ちょっと付き合って欲しいんだよね」
『何に?』
理「まぁまぁ。来ればわかるよ」
理恵は私の親友。
その親友に手を引かれ、私達は校舎から出た。
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『あんたは私を殺す気か。』
理「そんな、大袈裟だよ」
私は何故か黄色い歓声に囲まれている、テニスコートへ来ていた。
理「跡部、連れてきたよ」
跡「こいつか。お前の推薦は」
理「そう。私はこの子なら安心して任せられると思うんだ。」
そう言って私を紹介する理恵に軽く殺意を覚える。
嫌な予感しかしない。
跡「お前、テニスの経験は?」
『ありません。』
跡「マネージャーの経験は?」
『……ありません。』
跡「その間は何だ」
理「凌香はお兄さんにマネージャーみたいな事してるでしょ?」
『(あんたは余計な事を…!)』
そんな私の心中を無視して、理恵は跡部に向かってお願い!と手を組んだ。