第3章 03.仲間と家族
私は今日も一番乗りで部室へ来ていた。
朝、私が起きる時間に、ロードワークに行くすば兄(たまにかな兄も)を見送ることもできる。
すば兄が帰ってきたときのために、ドリンクも用意することができる。
早起きは少しツラいけど、一応3日坊主にならずに続いてるので、少なくても試用期間だけでも、この生活をするつもり。
宍「はよ。いつも早いな」
『宍戸おはよー。宍戸も早いよね』
宍「まぁな。」
宍戸は着替えると今度は髪の毛を結い始める。
『宍戸の髪の毛超綺麗だよねー』
宍「そうか?お前の髪も、綺麗だと思うぜ」
『私のはほとんど琉生兄のおかげなんだけどね』
そう呟くと宍戸は「なんの話だ?」と首をかしげる。
『んーん、なんでもなーい』
私達がそう他愛ない話をしていると、部員がどんどん部室に入ったきた。
理「凌香、おはよー!」
『理恵、おはよ。』
理恵からの熱い抱擁を返すと、他の人たちはもう慣れたと言わんばかりに各自着替えて準備を始める。
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朝練が終わり、午前中の授業が終わって、さてお昼休み!とワクワクしながら鞄を漁っていると、お弁当が見当たらない。
『あ、あれ…?』
風「何してんの?」
『ふ、風斗ー!お弁当忘れちゃった…』
風「僕は知らないよ」
風斗は私の目の前でお弁当を開ける。
…って、それ!
『それ、私のお弁当!!』
ピンクのお弁当箱は私しか使わないはず。
風「え、そうだったの?」
『知っててそれ持ってきたでしょ!』
風「さあね」
風斗は何食わぬ表情でお弁当を食べ始める。
あれ?風斗の鞄の中…
『いっただきー!』
風「あーあ。見つかっちゃった」
風斗は予想通りといった感じで、お弁当を食べ続ける。
『今更屋上行ってもなぁ…』
風「ここで食べれば?」
『…そうだね!そうしようかなっ』
風「って、何で向かい合わせにするの」
『いいじゃん!たまには♪』
盛大なため息を吐く風斗をよそに、私はお弁当を食べ始める。
お弁当作りは一番出てくのが早い私の担当。
給食がある小学生のわたの分以外はだいたい作ってる。
だから、私と風斗のお弁当の中身は同じ。
?「あー!何で朝日奈と凌香のお弁当の中身同じなの!?」