第3章 【告白編】
彼女を無事に送り届け、オレは家路に付いた。
さっきまでのことを思い出すと自然と顔がにやけてくる。
ふふん~って鼻歌なんて歌っちゃおう!
「英二先輩!ずいぶんご機嫌っスねぇ?」
「!!!!!」
ギクッ、こ、この声は・・・桃ぉ!!??
怖くて声のほうを見れない・・・
「英二ったら・・・やるね・・・」
「どうでもいいけど・・・英二先輩、なんで俺だけ生意気、なんすか?他のみんな長所なのに。」
「そりゃ越前、オメェといえば生意気だからだろ~?」
不二にオチビまで・・・恐る恐る振りかえる。
「うわぁ!み、みんな、なんでこんなところにいるんだよーーー!!!」
振り向くとそこには、青学レギュラー全員が集まっていた。
「ふむ、多少のアクシデントはあったが、本日の結果はほぼデータ通りだったな。」
アクシデントって、いったいいつからいたんだよ!?
「はは、ゴメン、英二、朝、乾から電話があってね、面白いいものが見れるって言うから・・・」
朝・・・って朝からずっとつけてたわけ!?
「英二がもう少し彼女の様子に気が付くのが遅かったら・・・僕が止めに入るところだったよ?」
ふ、不二、その目・・・怒ってる!!??
「ちっ!なんだと思って来てみりゃ、くだらねぇ・・・」
「菊丸、恋愛は自由だが、部活中は私情を挟むな。解ったな?」
他の面子はともかく、手塚に海堂まで・・・
「まぁまぁ、手塚に海堂。それにみんなも!うまくいったんだから祝福しようじゃないか!英二、本当に良かったな!」
「ん、大石、あんがとね!・・・って、違~~~う!!おまえら、みんなで隠れてみてるなんて性格わりぃぞ!!」
そう本気で怒ると、今までノートに何かをしきりに書いていた乾がそれを閉じ、かばんから何かを取り出した。
「さて、ここに、試作品の改良型スーパーハイパーデラックススペシャルバージョン乾汁がある・・・。」
「・・・へ?」
「これを誰かに試してもらいたいのだが・・・みんな、誰がいいだろうか?」
ちょ、ちょっと待って、みんなが笑顔でこっちを見てる・・・
逆光って乾だけの必殺技じゃなかったのかよーーー!!
「ま・・・マジ?」
みんなの目だけ笑っていない笑顔の前には、もう観念するしかなくて・・・
グウェッーーーーーーーーーーー!!!!!