第31章 仲直り
彼は私の言葉を静かに聞いて
ゆっくりと言葉を出した
安田「そうなんや....」
「私は、安田さんを愛してますから
あの人とは何ともありません」
その言葉に今まで抱きしめていた彼が
突然に私を引き離したのだ
私はその行為に驚いてしまった
安田「でも、手を繋いでたやん」
「それは.....」
彼の感情が一気に私に向かってきた
私はその感情に怯んでいまい口ごもっていた
安田「普通、何にもなくて手を繋がんよな」
彼が良い所を突いてくる
私は何と答えればこの場が収まるのかを
必死で考えていた
安田「アイツの事も好きなんやろ?」
彼の声が低くなっている
これは完全に怒っているって事なんだと
直ぐに分かった
私はもう嘘を付くことは出来なくなっていた
「昔です......、初恋の人なんです」
私は彼にそう伝えると怖くって下を向いた
彼の怒っている顔を見たくなかったから
安田「そうやったんや.....」
私は彼の答に不味いと察し必死で伝えた
「でも、今は違います!本当ですから」
安田「大丈夫やで分かってるからさ」
そう私に言うと優しく頭を撫でた
私は今の気持ちを伝える事にした
この不安な感じを
「どうしてなんだろう?」
安田「うん?」
「安田さんとの距離が遠く感じてます....」
私は真剣に見つめて言った
彼の表情を見たかったから
彼が何と言うか私は不安で待っていたのでした