第28章 後悔
何を言ってもこの場の争いが収まる事がないと
わかっていたから
彼と同級生の彼は睨み合っていた
私が一番悪いのだが、どうしていいのかも
わからずに立ち尽くしていた
そんな時に彼を呼ぶ声が聞こえてきた
その声に彼は反応するように
舌打ちをすると
安田「悪い、俺さもう行かなアカンから」
それだけ言うと冷たく振り向いて歩き出した
「安田さん!」
私は彼の背中に呼びかけた
その声に彼は一瞬足を止めたが
振り返る事もなく何か言葉をくれる事もなく
そのまま歩いて去っていった
私は、彼の姿が道の曲り角で消えるまで
冷たい彼の背中をひたすら見つめていた
無言で立ち尽くしてる私を
同級生の彼は心配したのか優しく声を掛けて来た
「大丈夫か?」
「うん、大丈夫だよ」
私は震える声で答えた
本当は怖かった、でも彼にもう頼る事は出来なかった
そんな私の気持ちを察したのか
「そしたら、俺らも行こうか?みんな先に言ったからさ」
彼が先に歩きだした
「ご、ごめんなさい、私、やっぱり行けないや」
その場に動かずに私は伝えた
「えっ、もう終電もないで?」
「大丈夫だよ、一人で漫画喫茶で時間をつぶすから」
心配そうに言う彼に私はハッキリと言った
「こんな時間に女一人は危ないって!」
そう言うと彼は私の手を掴んだ
その瞬間に私の頭に、去って行った
安田さんの背中が思い出された
「離して!」
私の言葉に彼はビックとして手を離した
「本当にごめんなさい
でも今は一人になりたいの....」
私はそう言うと彼から去るよに歩き出した
目に浮かぶ涙を必死で我慢しながら
「そっか、また連絡してもいいか?」
彼は私の背中に向かって聞いて来てきた
私は無言で右腕を上げて手を振った
声を出したら涙が止まらなくなりそうだったから
私の楽しい思い出は
自分の馬鹿な行動で涙に変わったのでした
この事で私は彼に嫌われたのかもしれない
私は何よりも大事な恋を失ってしまったのかも
しれない
その悲しみと不安に押しつぶされそうになりながら
私は必死で東京の夜を歩いていたのでした