第26章 絵の具
その作品は
左右の羽根の大きさがちょっと違ってうのが
良い味になっている気がする
「きれい.....」
色んな色が決められたわけでなく
自由にお互いを主張している
それが何とも言えない美しいさを見せている
安田「やろ?
ここからはゆめちゃんの未来の色を塗ってな」
「はい、素敵な作品にしたいです」
安田「俺なゆめちゃんの未来に
俺が居りたかったもんやからさ
乱入してもうたわ」
そう言うと自分の顔を恥ずかしそうにかいた
「安田さん、絵の具が顔に」
絵の具の付いた手でしたからだ
彼はそれに気が付くと慌てだした
安田「うわぁ~っ、やってもうた!」
「もう、早く洗ってください、こ、こっちです」
私が洗面所に案内しようとした時だった
足元に置かれてる絵の具を避けようとしたら
足が絡まりふらついてしまった
バランスを崩した私を
彼は咄嗟に助けようと私を掴んだ
安田「あっ、」
私も思わず彼を掴んでいたので
「あっ」
お互い相手の服に絵の具を付けてしまい
付けられた所を見ながら二人で笑ってしまった
安田「ごめん、服を汚してもうた」
謝る彼に私は笑いながら
「大丈夫ですよ、直ぐに洗濯したら落ちますから」
脱いでください、私が洗いますから」
安田「へぇ」
彼が驚いた顔になった
私は一瞬で何か分からなかったが
少し考えて
男の人にとんでもない事を言った事に気が付いた
「あっ、そ、その、
洗ったら帰りまでには乾かしますので
だからなんです」
私は必死で取り繕った
安田「うは、大丈夫やで、ちゃんと分かってるから」
彼は優しく私の頭を撫でた
「あっ」
彼の顔色が変わる
安田「うわぁ、ごめんーっ」
髪にまで絵の具が付いたのだ
「安田さ~ん」
私は彼を笑いながら言いました
少しふざけてみたのでした
すると彼は
安田「お詫びに」
彼は自分の頭にも手を自ら乗せて
色をつけたのだ
「ちょ、安田さん」
私が驚いているとニコッ笑うと
「これで同じやな」
私をいつも驚かせる
彼を私は愛おしくなっていました
どんな時間も楽しい素敵な時間に変えてくれる
彼を愛していました