第2章 城
月がでてきても
彼はギターを奏でてくれ
私は幸せな気持ちで過ごしていました
「どうして、ここまでしてくれるんですか?」
私は、ボソッ疑問を口にした
すると、彼はギターを弾くのを止めずに
私をチラチラ見ていました
しばらくし演奏を続けていたのでしたが
突然に止めて彼はゆっくりと
口を開きました
安田「う~ん、なんでやろ....」
真剣に考えてるのか、
腕を組み頭を何度も左右に動かしていた姿に
私はなぜか申し訳なくなって
「あのぉ、そんなに真剣に答えていただかなくても....」
彼は、私の顔を真剣に見つめながら
安田「やっぱ、涙を見たからかなぁ.....」
「えっ」
意外な答えに私は動揺した
安田「男は女の涙を拭いてなんぼやんか」
そう言うと照れ臭そうに笑ってまた
演奏を再開させた
そして、演奏しながら何故か
チラチラと私の顔を見てきました
私はどうしていいか分からずに
照れ臭くって焦っていました
安田「ふふっ、照れてるん?」
そんな私に意地悪気に言ってきました
「そ、そりゃ...」
恥ずかしそうに俯く
安田「可愛いなぁ、ほんまに」
嬉しそうに言う彼に私は遊ばれてるのかと
思ったのです
「安田さん、私をからかってません?」
安田「ふふん、俺 そんなに意地悪なヤツちゃうし」
「えっ、どういう事なんですか?」
彼の気持ちが分らなかった
不安げに彼を見ると
彼は突然に演奏を止めて
安田「今日はもう遅いから、ここでおしまいやね」
そう言うと、ギターを直し始めました
私は気まずい気持ちでしたが
その場から離れる彼について
素敵な砂のお城を後にしたのでした
昨日よりも、胸が痛くなっているのを感じなから