第24章 約束
私は彼にそっと微笑むと
掴んだ手をそっと片方を外すし
恋人の島を指さした
「あそこの二つの島が見えますか?」
彼は指さされた場所に顔を向けた
安田「ちょっと距離あるけど
寄り添ってる感じの島かなぁ?」
彼は少し目を細めて見ていた
「あの島は、恋人の島って言って
あの島に二人で立つと、永遠に結ばれるんだって」
安田「そうなん?」
彼は、驚いた顔で島を見続けていた
「この地域の人の噂ですが
本当に結婚した人もいるらしいですよ」
その言葉に彼は私にふり返り
安田「うわぁ、マジですげーやん!!!」
彼は途端に子供のような無邪気な笑顔になる
「でも二人であそこまで
行くにはけっこう大変ですよね」
私も島を見ながら答えた
安田「だから、行けたら海の神様が願いを
叶えてくれるって事なんやな」
「そうかも知れませんね」
それだけ努力をするから神様が力を貸してくれる
だから夢が叶う
素敵な伝説だと思った
安田「もう少し暑くなったらさ
ゆめちゃんとあそこに行きたいわぁ」
私は一瞬耳を疑った
彼からそんな事を言われるなんて
思ってなかったから
彼が私と永遠を願うなんて.....
驚いた顔をして彼を見ると
安田「どないしたん? 俺と行くのはやっぱ嫌なん?」
彼は不安げに言ったので
私は全力で首を振った
「ち、違うんです、
わ、私でいいのかなぁって」
私の言葉に彼は小さく笑うと
安田「俺、ゆめちゃんとあそこに行きたいんやけどなぁ」
そう言うと私を強く抱きしめてくれたのでした
私は彼に抱きしめられて
夢を見ている気持ちになっていた
これがもし夢なら絶対に覚めないでと
心の中で
始めて強く願っていたのでした