第23章 甲斐性
なんか、彼がいつもの感じではないと思った
「や、安田さん」
私の言葉に彼は私の方を向いた
「どうかしたんですか?」
私の言葉に彼は不思議そうな顔をした
「その、何か元気がないと言うか....」
私の言葉に彼は一瞬考える様子を見せ
クスッと笑った
安田「俺も、まだまだやなぁ」
そう言うとまた俯いてしまった
「あのぉ.....」
私は心配になった
その私を彼は分かったのか
優しい口調で
安田「めっさ会いたくって、急いで来たのに
他のヤツと会ってたから.....」
私は彼の言葉に驚いていた
その私を見て彼は少しだけ怒った顔をしながら
安田「なっ、なんやねん」
「い、いえ、本当にすいません」
安田「なんで、ゆめちゃんが謝るや?」
「なんか、悪い事したなぁって」
落ち込む私に彼は、そっと頭に手を伸ばして
優しく撫でた
安田「気にせんでええで、
これは俺の甲斐性のなさなんやから」
そう言うと笑ったのでした
その彼の寂しい笑顔に
私の胸は痛くなっていた
安田「ほんま情けない男やで....」
そう言うと海を彼は海を見つめていた
「そ、そんな事ないです」
私の言葉に彼は私に目線を戻した
「私、嬉しいです、そんな風に思ってくれて」
そう言うと勇気をだして、自分から彼の手を握った
すると彼は私の握った手を強く握り返してくれ
安田「おん、ありがとうな」
そう言っていつもの笑顔を見せてくれたのでした
私も、その笑顔につられて笑顔になっていた
そして、いつまでも二人で手を握ったいた