第21章 味方
彼女はそんな私の気持ちを知らないので
小さくため息付いて
「いいなぁ、うらやましぃ」
彼女の言葉に私は本気で驚いた
その言葉は、彼の事を誰かに話されるのか
私は不安でいっぱいになった
私の驚いてる顔を見て彼女は笑いながら
「頑張って捕まえときなさいよ
そのうちに私にも良かったら会わせてよねぇ」
そう言うとその場から離れようとした
その彼女の腕を私は掴んだ
「な、なんで?」
彼女の意図が分からなかったから
焦っている私を彼女は不思議そうに見ていた
「どうして応援してくれてるの?なぜ....」
私の言葉に彼女は笑いだした
「ねぇ、すごい奇跡を手に入れたんじゃん?
そんなチャンスどこにもないんだよ
あとさ、友達が幸せになるのは
応援するもんでしょう?」
私は小さく頷いてい
そんな私を見ながら彼女は話を続けた
「ゆめはさ、ちょっと気が弱くって
人付き合いを避けてるけどさ
私は大切な友達だって思ってるんだよ
だからさ、誰にも言わないから安心して」
彼女の言葉に涙が溢れてきた
「あ、ありがとう.....
そして、ごめんね」
「もぉ、いいの!分かってくれたらさ
それより、私、仕事だから行くね!」
「う、うん、後でね」
「昼からだっけ?待ってるからね!」
そう言うと彼女は私の前から去って行った
私は走り出す彼女の背中に感謝をし
頭を下げていた
私は大きな勇気を手に入れた気がして
この恋に少しだけ
前に進めそうな気がしたのだ