第22章 感謝
私はあの後に、
前中の仕事のレンタル屋に来ていた
いつものように、棚を直しながら
安田さんの事、同僚の彼女の事を考えていた
私は思ってるほど
人生は悪くはなく
勝手に悪いと思い込んでただけかも知れない
私が思ってるほど
周りの人はダメなヤツだと思ってないのかも
知れない
本当の色を私は勝手に
上から暗い色を塗りつぶしていたのかも
知れないんだ
そんな風に今までの人生を
進んできんじゃないのか
私は手にしてるDVDを丁寧に棚に入れて
直していた
そして、今までの自分を思って笑っていた
「だから、私の絵は当選しなかったんだよね」
私は何だか勝手に納得した
「安田さんに出会えて本当に良かった
とても大切な事が見えるようになったなぁ」
そう呟くと彼を思った
昨日も帰らずに私の曲を作ってくれてた
それも朝になるまで気が付かづに
何てすごい人なんだろ
私は愛されている
私は本当に嬉しかった幸せだった
私はフッと手にしているDVDを見て
思い出した
確か、これは前に安田さんが借りたものだ
あの時は何も思わなかったが
恋愛もので、表紙に書いてる文句が
~女心を描いたラブストーリー~
安田さんはこの時から
女の気持ちを勉強してくれてたんだ
彼の気持ちが沁みてくる
私は心に決めた
何があってもこの恋を頑張ろうと
ちゃんと彼と向き合っていこうと
決意してたのでした