第18章 答え
「安田さんは、芸能人ですよ!
こんなヤツとそのぉ、
噂になったら
それこそ芸能活動に迷惑が掛かってしまいます」
私は自分の意見を強く彼に訴えた
そんな私に彼は小さく笑って
安田「最初は困るかも知れんよなぁ、でもなぁ、
たぶん大丈夫やと思うねん
そりゃ、ファンは減るかもやで
でも分かってくれる人は必ずおると
俺は思うんやけどなぁ」
私はそんな考えをする彼に驚いていた
安田「だからさ、悪い方には考えんとこうやぁ
未来は必ずしも暗いとはかぎらんねでぇ」
そう笑う彼に私は疑問でしかなかった
「それって....、これからも会うって事ですか?」
私の言葉に彼は一瞬で困惑した顔をした
安田「えっ、もう会わんつもりなん」
「そ、そのマスコミに知られたら....」
安田「それは、それやん」
彼の軽い答えに私は余計に混乱していた
「安田さん、分かってますか?
その彼女でもない女と噂になったら...」
安田「彼女とはちゃうけど、俺はゆめちゃんが
好きやからここに来てたんやで」
私は彼からの突然の告白に唖然とした
「す、好き?」
私の焦ってる様子に彼も焦ったようで
安田「もしかして、俺の気持ちに気が付いて
なかったん!」
驚く私に彼は肩を落として
安田「まさかとは思ってたけど、
俺の気持ちを知っての
そのぎこちない態度やからさぁ
友達でおりたいんかなぁって思ってたんやでぇ」
「あ、あのぁ、そのぁ」
私は焦って言葉を言おうとしたが
何故か口が上手く動かない
そんな私を見て彼は照れたように
安田「俺、ゆめちゃんの事が
いつも間にか好きになってたん
やからその.....」
彼の方も言葉に詰まったのか
突然に考え出してしまった
「私、出会った時から安田さんの事が好きでした」
私の突然の告白に彼の顔の動きは止まった
でも直ぐに最高の笑顔になって
安田「めっさ嬉しい、俺」
そう言うと
私を優しく抱きしめてくれたのでした