第18章 答え
部屋に来た二人だが
しばらくは言葉なく過ごしていた
彼も、どう切り出していいか分かんない様子で
私に目線を合わせずに
上を少し向くように考え事をしていた
きっともう会えない事を伝える
傷つけない言葉を探してるのだと思った
だから私は勇気をだした
「私と会ってる事がマスコミに知られたら
ご迷惑が掛かるので、もう会うのは止めた方が
いいですよ」
その言葉に彼は驚いた風だったが
何も言わなかった
「安田さんと出会えて本当に楽しかったです
ありがとございました」
さよならを彼の口から聞きたくなかったら
精一杯の私の強がりの言葉だった
でもそれ以上は涙が出るから
言葉は言えなった
あんなに後悔した自分の気持ちすら
彼に伝える事は出来ずにいた
すると、彼は私に聞こえる程の
大きいため息をつくと
安田「俺はほんまにアホやわぁ」
そう言うと頭を両手でかきだして
髪をぐしゃぐしゃにしていた
私は何が起きたのか分からすに
驚きながら彼を見ていた
安田「なぁ、聞いてもええ?」
彼は強い眼力で私を見つめた
その迫力に押されて私は無言で頷いた
安田「俺と噂になったら、迷惑なんかぁ?」
彼の予想外の質問に私は驚いた
そして首をおもいきり横に振った
安田「もし、会ってる事がバレたら困るん?」
私の頭はパニックになっていた
困るのは安田さんで私ではないのに
「や、安田さん?」
私は彼の本意が分からずにいた
安田「おん?」
彼も状況が把握出来ずに険しい顔をしていた
そんな彼に私は、説明する事にした
「あのぁ、バレたら困るのは安田さんですよね...」
安田「えぇ、なんでや、ゆめちゃんが
ここに居ずらくなるやん!!!!」
彼がこんな時ですら
自分の芸能人としての立場よりも
私の事を考えてる事に
感動して胸が熱くなっていた