第18章 答え
部屋に戻った私は、キャンパスの前に座っていた
右端に青を塗ってから、何も塗ってなかった
私はある絵の具をパレットに出して
水に溶かした
そして涙と一緒に青の隣に色を塗った
黒色を.....
これが今の私の恋の状態だから
少し塗って筆を止めた
これ以上塗る事が出来なかったからだ
このキャンパスを思いのままに塗ると
黒色にしてしまいそうで
それは、私の未来の色になりそうで
怖さから私は少しにしたのだ
筆を置いた私の手はスマホに動いた
彼からの返事は来ない
いつもなら、必ず来てたのに
やはりこのまま終わりになるのか
そう思うと
私は痛む胸と悲しみに押しつぶされて
涙を止める事が出来ずにいた
自分の後悔に苛まれて泣き続けるしかなかった
そんな時だった、私の部屋に客が来たと知らせる
ベルが響く
私は、こんな時間に誰だと不審に思いながら
涙を拭きながら、インターホンの電話に出ると
安田「こんな時間にごめんなぁ、仕事終わりで来たから
ちょっとええかなぁ」
私は驚いた
急いで入口の解除をして
自分は部屋から飛び出して
彼が上ってくるエレベーターの前で待っていた
上がって来た彼が今度は
私の泣きはらした顔を見て驚いていた
安田「ゆ、ゆめちゃん」
「や、安田さん....」
私はそれ以上言葉を続ける事が出来なかった
彼が来てくれた嬉しさと
でも、何を伝えに来たか予想がついてたから
そんな私を見て
彼は少しだけ寂しそうに微笑むと
安田「ここではなんやから、部屋で話そうか?」
そう言うと、優しく私の手を握り歩き始めたのでした