第2章 城
次の日、私はあれは夢ではないかと
疑い生まれていたのだ
心が疲れていた幻想なのではと
「そうそう、芸能人と会えるわけないしね」
歩きながら一人 昨日の事を思い出しては
笑顔になっていた
大きなカバンとスケッチブックを持ちながら
彼と一緒に過ごした場所に足を進めていた。
昨日のが幻想だったとしても絵にしてみようと
思ったのだった
心が覚えているうちに
私は昨日に彼がいた場所を目の前にして
足を止めた
二人で過ごしていた場所に
子供が海岸で作るお城があったのだ
「こ、これって.....」
私は理解できずに、恐る恐るその城に近づくと
城の前の砂浜にメッセジーが彫られていたのだった
【ユメヲ アキラメルナ】
私は持ってる物をその場に投げ捨てて
お城に近づき一人で目を潤ませた
泣きながら身体の震えるのを抑える事が出来ませんでした
有名なアイドルが私の夢を応援してくれている
たった数時間あって話した人なのに
こんな素敵なプレゼントを作ってくれて
泣かずにはいれず
もう夢を諦めるわけにいかない
「安田さん、頑張りますね」
私は彼に直接言えない代わりに
お城に向かって言いました
そして、私はその素敵なプレゼントを描きとめるべく
その場に座って城をスケッチし始めました
これを作っている時、彼は何を思って作ってたんだろ?
どんな顔をして作ってたんだろか?
そんな事を思い考えながら
ひたすら砂のお城を描きつづけたのでした
何時間経ったのだろうか
また辺りは夕暮れの時間になっていました
私は、自分が納得のいくまで
いろんな角度からお城を何ページも描きました
安田「うわぁ、めっちゃ上手いやん」
突然、私は声を掛けられて振り向くと
彼がギターを持って笑顔で立っていたのでした。