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my self

第1章 出会い





 夕日が沈んだ後も月明かりの中

彼は帰ることなくギターを何度も弾いていた。


私もその場を離れる事なく

それを静かに聴き続けていた


そんな贅沢な時間を過ごしていたのでした




彼の何とも言えない落ち着いた雰囲気に

私は癒されていったのです



「私、画家になりたいんです....」


その空気の中

私はボソッと話した

その言葉に彼は弾いてたギターの指を止めて

私を見た



安田「素敵な夢やね」




「コンテストに応募したんですけど

また落ちてしまって...

才能ないって事ですよねぇ....」



私は足元の砂を手に掴みサラサラと

落としながら話を続けていた


「好きだけじゃ夢は叶わないんですよね

それだけじゃダメなんですよね....」


彼に胸の中を話したと同時に

涙が自然に溢れてきた



そんな私を見て彼は


安田「俺には才能の事は分からんけどさぁ

落ちるって辛いのはわかるんやぁ」


優しいトーンでゆっくりと話す彼に

辛い心も癒されて

泣きながらも微笑んでしまう



安田「でもやで、その才能が発揮されるのは

今じゃなかっただけちゃうんかな?」


涙を拭きながら彼を見つめる私に



安田「もう少し頑張ってからさぁ

諦めても遅くないちゃうかなって」



安田「やってさ、諦めたら終わりやんか」



そう言うと微笑みながら

優しく頭を撫でてくれた

彼の優しさに胸が熱くなった私は



「安田さんは才能があって羨ましいです」



アイドルである彼に少しだけ

意地悪を言ってしまった私に考え込みながら


安田「俺は才能ないで、

ただ好きでそれに時間を使ってるだけやから」



私は意味が分からずに彼を見つめていると



安田「曲を作る時にな部屋にいても

出来へんかったから

こうして海に来て作ってるんやで」



何となく分かるが分かりにくい

ようは色んな努力をしてるって事なのかな?


「曲作りも大変なんですね」


その私の言葉に彼は笑顔で答えると

また一人で演奏を始めたのでした


私は、この時に知らなかったのだ

この出会いが私に新たなチャンスと

夢への切符を掴む道へのスタートだったと
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