第13章 月夜
「本当にすみませんでした
お仕事もキャンセルさせていまって...」
私は頭を深く下げると
私の頭上で大きなため息が聞こえた
安田「俺さぁ、これゆめちゃんのせいやて
思ってへんで中に入ったんは俺やし
誘ったんも俺やし...」
「でも、あそこで私がはまらなかったら、安田さんは
全身が濡れる事もなかったわけで、
あの時に私の家に来てもらって乾かしてたら
風邪なんて引かなかったと思うんです」
私の感情が一気に出た
言葉を聞くと彼は空に広がる星を見た
そしてゆっくりと口を開いた
安田「俺、そんな優しい男ちゃうで?」
「えっ?」
安田「二人きりで部屋に居ったら
理性なんて保てんよ、だから帰ったんやで」
私は顔を真っ赤にして見つめていた
安田「でも、今夜は熱あるから安心しててや
そんな体力ないからさぁ」
そう言うと私の頭を優しく撫でたのです
その温かさを感じて私は微笑んだ
「帰ったらおかゆを作るんで、食べたら薬を飲んで
早く治してくださいね」
安田「もちろんやで、早く治して
プレゼントの曲を作らんなぁ」
「それは、慌てなくていいですよ
私はゆっくり待ってますから」
笑いながら答えると彼は嬉しそうに
安田「ほんならお言葉に甘えて、ゆっくり作りますわぁ」
そう言うと握ってる私の手を引っ張って
歩いて行ってくれました
ゆっくりゆっくりと二人で
静かな月夜道を歩いて帰って行きました