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my self

第13章 月夜




 安田さんは薬が効いたようで夜中になると

やっと熱も下がってきたのか息が楽になって

ました



私は起こさないように熱を測ると微熱になっていて



「良かった......」


彼の寝顔を見ながら安心しました

その時だった、彼の目がゆっくりと開いた


私は驚いたが

彼の方も熱がある中での事だったので

今の状況が分からないようで

部屋を見渡して私の顔を不思議そうに見ていた



「安田さん、覚えていますか?

すごい熱で海で倒れたんです

だから私の部屋で休んで頂いたんです」


私の言葉を聞いてやっと理解が出来たようで

彼は辛い身体をゆっくりと起こしながら


安田「そ、そうやたんや!」


「あっ、ダメですよ、まだ寝てないと

また熱が上がってきますから」



私は、急いで寝かせようとしましたが

彼は悲しそうな顔で



安田「明日、仕事なん」


そう言うとベッドから起きようとした


「やっと熱が下がって来た所なんですよ

分かりますがそのまま帰ると熱が上がりますし

薬も飲んでますし事故でも起こしてしまいますよ」


私は彼を思い必死で止めた


安田「それじゃ車に携帯置いてんねん

それだけ取ってくるわ

連絡だけしなアカンやろ?」


私の必死な訴えに

彼は少しだけ微笑み軽く頭を撫でた

そして立ち上がったが

歩きだしたが、ふらついていた



「私が取って来ますから、寝ててください」



私は、慌てて彼の身体を支えた



安田「ほんまにええん?海の近くに止めてる黒い車なん」


大きく頷いて私は返事をした

彼はズボンのポッケトから車の鍵をゆっくりと出し

渡そうとした瞬間に


安田「アカン、女の子をこんな時間に海に向かわしたら
何があるかわからんし」


そう言うと鍵を引っ込めてしまたのでした


そんな彼を見て私は強引な行動にでました



彼の手から車の鍵を奪い


「大丈夫です、私は地元の人間です


それに空手初段なんですから、へっちゃらです」


安田「えっ」


驚いている彼に


「ちゃんと寝ててくださいね、帰ってきたら

おかゆでも作りますからね!」


そう言い残すと家を飛び出しました

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