第1章 出会い
私は誰か知った途端に焦っていた
なぜ、有名なアイドルがこんな場所に!
私の頭はパニックになっていたのを
彼は不思議そうな顔をして見ていた
安田「どなんしたん?」
私は無言で首を振った
今さら芸能人って知って
怖じ気ついたとは言えなかったからだ
そんな私を見て彼は何故か笑うと
無言で隣を叩いた
「えっ?」
驚いている私に彼は
安田「隣にどうぞ」
微笑みながら私を誘う彼に
断る言葉が見当たらずにゆっくりと足を動かした
「あのぉ、いいんですか?」
私の言葉に彼は警戒なく答えた
安田「うん?何がぁ」
ゆっくりとした口調と優しい声で聞かれると
こっちの心もゆったりとしてくる
「あの、関ジャニ∞の安田章大さんですよね」
私の問いに彼は一瞬動きを止めたが
突然に顔をくしゃとして微笑んでくれた
安田「おん、知らんのかと思ってたわぁ」
彼のその笑顔に胸の奥が熱くなってくるのを
感じた
「知らないはずないですよ、有名なのに」
その私の言葉に彼は笑顔で答えて
私が隣に座るのも待たずに
またギターを弾き始めたのでした
それは、静かなゆっくりとした曲で
私の心の中にしみていっていくのを私は
ただ美しいメロディーに立ち尽くし涙を流していたのでした
弾き終わった彼は泣いている私を見て驚いた
安田「えっ、なっ、どなんしたん?」
ギターを置いて彼は立っている私の所に走って来た
私は急いで涙を拭きながら笑って答えた
「安田さんの曲が素敵すぎて....」
私の言葉に安田さんは、少し顔を赤らめながら笑うと
安田「ありがとう....」
その安田さんに鼓動のスピードが
速くなっていくのでした。