第12章 熱
私には何が起こったのかわからなかった
彼の突然の行動にパニックになっていた
でも、触れてる彼の身体の熱さと荒い息遣いに
普通の状態ではないと分かった
「安田さん!どうしたんですか?」
私が大声で話しかけると
彼はやっと反応を返してくれた
安田「大丈夫、ちょっとだけ疲れてるだけやから
心配せんといて....
少し休んだら平気やからな」
ぐったりしてる様子に心配は余計に増してくる
「い、今、救急車を呼びますから」
焦りながらスマホを取り出す私の手を彼は掴んだ
安田「アカン、マスコミに漏れたらアカンねん」
彼が私を掴む力強さに私は我に返った
彼は芸能人なのだこんな事ですら
噂になると仕事に影響するんだ
でも今の彼の状態を考えれば、私が取れる事は
私はどんどん荒い息の彼を見ながら必死で考えた
このままには絶対に出来ない
私は彼の腕を持ち彼を支え起こした
「安田さん、少しだけ頑張っていただけますか?」
安田「ゆ....ゆめちゃん?」
不思議そうに私を見る彼に
ありったけの力を入れて彼を支えて
「私の家部屋で休みましょう」
彼は意識もハッキリしないのだろうか
それとも身体が辛いから私に委ねてるのだろうか
私の言葉に小さく何度も頷いて答えていた
支えながら彼の身体がドンドン熱くなる恐怖に
自分を必死に抑えて道を歩いていたのでした