第10章 返信
私は落ち着かない気持ちで彼からの返事を
今か今かと待っていたがスマホは大人しかった
返事の来ない時間に私は考えていた
もしかした余計な事をしただけで
彼は全くそんな気はなくて
きまぐれで付き合ってくれてただけかも
見るからに優しい人だから
そして自分の送った文章を見て
最大限に後悔していた
「馬鹿な事をしちゃった.....」
初の勇気が後悔に変わり始めて涙がでそうになっていた
その時にスマホが鳴った
私は急いでスマホを開く
安田《もちろんええよ、(((o(*゚∀゚*)o)))
楽しみにしといてや♪》
私の顔に笑顔が戻っていた
とても嬉しかった
でも、この文は.....
微妙な返しに私の心はあやしくなっていた
「私、楽しみにしてていいんですか?」
スマホに話しかけてみた
彼の優しさは嬉しいが時々、
私の胸のずっとずっと奥をチクチクと刺してくる
私は、そっと指を動かして
《はい、楽しみにしています
それでは、おやすみなさい》
自分から会話を終わらせた
そして、ため息をついてスマホを放り投げた
アイドルに恋をした自分の切なさに
どんなに愛してもけっして手の届かない人
この夢は必ず覚めてしまう
なら、夢が覚めるまで楽しむのもありなのか
それとも、ここで自分の気持ちを抑える方が
賢明なのか
出会えただけでも奇跡なのに
私は贅沢なのか
でも、人は誰でも好きな人には振り向いてもらいたい
自分の思いは報われたいと望むもの
それが空の星のように遠い人なら
手を伸ばさない方が賢いのかも
私は答えのでない恋の問題を
一晩中考え続けて胸を痛めていたのでした