第8章 繋がる
私は自分の目を一瞬疑った
昨日に作ったお城がちゃんと残っていたのだった
少し崩れている部分もあったが
形として建っていたのだ
私は胸が熱くなっていくのを感じていた
私は何を怖がっていたのだろう?
彼に遊ばれてる事?
この恋が消えてしまう事?
その事実が嘘になってしまう事?
二人で作った事実は嘘じゃない
もし、このお城が風で崩れても安田さんの優しさは
嘘じゃないし消えたりしない
あの温かい手は嘘じゃない
なんで、そんな事すら気が付かなかったんだろ
私は、何故か笑っていた
自分の愚かさに笑えたのでした
私は、カバンからスマホを取り出して
彼の番号を登録してLINEを検索した
そして彼に送った
《遅くなってスイマセンでした、お仕事頑張ってください》
打ち終わると、ゆっくりとスマホをなおして
海を見た
ここからでも、あの小島が見える
勇気を少しだした私には
近くに見える気がした
いつか、もし叶うのであるなら二人で立ちたいと
私は勝手に願っていたのでした