第8章 繋がる
私は、仕事帰りに海に向かっていた
一人歩きながら彼の真意を考えた
何故、ここまでして繋がってくれるのか
どうして電話番号を教えてくれたの?
私が誰かに言うって考えなかったの?
それは私を信頼してるから?
それとも、もしかして.....
私の頭中に疑問が止めどなくグルグル回っていた
そんな私の目の前にいつもの青い海が見えて来た
「今日も穏やかだなぁ....」
海は私の悩みなど関係なく静かに波を立たせていた
そんな海の奥に同僚が話してた小島が見えた
微かに霞がかかっていて今はハッキリ見えない
まるで今の自分の恋のように
私は大切に閉まっていた
彼からのメモを取り出した
こんな奇跡なんて夢みたいな事だ
そんなの分かっている
しかし期待し過ぎて違っていたら
絶対に立ち直れない
彼は何を思ってこれを.....
私は電話番号を登録する勇気が持てずにいた
そんな情けなさにも悲しかった
そして私の足は自然に
あの二人で過ごした場所に進んでいた
もしこのまま私が電話を登録しなきゃ
この夢物語は終わるのだろか?
昨夜、二人で作った砂の城のように
跡形もなく
砂の.....