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my self

第1章 出会い




 人気のない夕方の海に私は一人で来ていた。



海を見ながら砂浜を歩き

落選通知を握りしめて、この海に来たのは

何度目だろうと考えていた



子供の頃から強がりの性格の為に

泣きたい時は、人気のない時間帯の海に

やって来てしまう



一人暮らしになっても、海の近くに住んで

何かある度に海に来ていた



私は、人があまり来ない方に足を進めていった



 海の向こうでは

静かに夕日が沈み始めていた

それを見ながら涙を流すなんて

ロマンティストだと

悦に入っている私の耳に

どこからかギターの音が

聴こえてきた



こんな時間にこんな場所で練習でも

してるのだろか?

それにしても、上手い気がする




私が不思議に思って音のする方向に

足を進めると

夕日に向かって男の人が

ギターを奏でていた。



背中しか見えないが

何かを訴えるように弾いているように感じ 

私は立ち尽くして聞き続けてしまったのだ。



男の人は一通り演奏が終わったのか

弾いてる手を止めて夕日を見た時に

私の気配を感じたのか男は後ろを振り向いた


一瞬で目が合い

気まずくなった私は

照れながら彼に挨拶をした



「こんばんは」


その私の挨拶に何の疑問も持たずに彼は

笑顔で答えてくれた


安田「こんばんわ~」



私は少し暗くなった海岸で

挨拶した彼の顔を

マジマジと見て誰が分かって驚いた



彼は有名なアイドルグループの

一人だったのだ。
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