第7章 海
二人で作った城を見ながら
とめどもない話を続けていたました
話せば話すほど
もっともっと彼を知りたくなる私がいて
幸せだけど苦しい時間を過ごしていました
その辛さに耐えられなくなり私は突然に
口ごもってしまいました
そんな私に気が付いて彼は
安田「うん? どうしたん」
私は言葉にせずに首を横に振っていた
安田「俺、なんか言ってもうた?」
彼は心配そうに私に問いかけた
でも私は、自分の気持ちを打ち分けれるはずもなく
どうしていいか分からすに黙っていました
彼はそれ以上は何も言わずに立ち上がり
ゆっくりと海の方に歩いて行ったのでした
そして、自分のズボンをめくり上げると
靴をその場に脱ぎ捨てるとゆっくりと海に
入り始めたのでした
安田「うわぁ、やっぱ春やからまだ水冷たいよなぁ」
そう言いながら、水を足でパシャパシャしながら
楽しんでいるようだった
安田さんの突然の行動に理解が出来ずに
私はその場で座って見ていましたが
彼は私を見ながら
安田「なぁ、来てみ? 海に月が写ってめっさ綺麗やで」
そう言うと私を誘ったのです
私は一瞬どうしようか迷いましたが
ゆっくりと立ち上がり水際に近寄って行きました
小さい波と彼と月がキラキラと私の目に映っていました
「風邪引きますよぉ」
私は、膝の所までの深さまで歩いてる彼に声をかけた
安田「大丈夫やで、意外と気持ちいから」
そう言うと、こっちを向いて手で私を呼びました
「えっ......」
彼の誘いに躊躇してましたが、笑顔の彼に負けて
靴を脱いで少しづつ入っていきました
足に入ってくる冷たい感覚と
好きな人が待っててくれる胸のときめきと
私は跳ねる水を服に少しづつ含みながら
彼のもとに進んで行った
彼は静かに私を待っていてくれて
手を差し伸べてくれて
その彼の手を見ながら私の頬は熱くなっていった
あと、少しで彼の手に届く時
私の足元が急に深くなっていた事に
私は気が付かなかったのでした
「きゃっ」
私の声と同時に私の身体が急に水の中に沈んで
しまいました