第6章 力
私は突然、そのお城を見て悲しさを感じてきてしまった
「でも、残念ですよね.....」
私はボソッとつぶやきました
安田「おん、なんでや?」
「砂だから明日には消えてしまいますもん」
私はお城を見ながら言うと
安田「形に残らんでもさぁ、作った事実は消えへんやん
ようは残る残らないじゃなくてさぁ
どんだけ気持ちを込めたかやと俺はおもんやけどなぁ」
「事実は消えないか....」
安田「おん、俺らのツアーライブなんかそうやけどさ
やった事実は消えへんやろ?そして俺の実力になってるし」
「そうなんですか?」
安田「おん、そうやと俺は思ってるねん」
「じゃ、今日のこのお城も私の力になるんですね...」
安田「きっとなぁ」
そう言うと、顔をくしゃと笑って見せてくれた
私はお城を見続けていた
彼の言ってる意味を考えながら
この恋心は私の力になるのかと
でも、やはり星のように遠い人だと強く感じながら
隣に座ってる彼に胸のときめきを気づかれないように
過ごしていたのでした