第6章 力
私は楽しい気持ちになり彼に聞いてみた
「安田さんは、お城作りが好きなんですか?」
安田「うん?」
彼は私の方を見ずにお城を作り続けていた
「この前も作って驚かしてくれましたし...」
私は城の形が崩れないように砂を叩きながら
言うと、彼は静かな声で
安田「なぁ、なんでもそうなんやけでさぁ
モノを作るってさスゴイて思わん?」
「えっ」
安田「少しづつ少しづつ作っていってさぁ
時にはさぁ最初から手直したりして完成させるやん」
私は彼の話を自分の絵で想像して、その通りだと思った
安田「最初の頃はイメージだけでさ
完璧なものが想像できへんかったりで
出来上がったら最初の考えてるモノと違ってたりとかさ」
私は彼の言葉に頷きながら、城を作り続けた
安田「なんやかんやで出来上がったりするんが
面白かったらするのが何か夢中になってまうねんなぁ」
「そうなんですか」
私は安田さんが
そんな風に考えながら曲を作っていたんだと
思うと感心していた
そして真剣にお城を作っている安田さんに
胸を熱くしていた私を彼は突然に見つめてきた
私は一瞬で顔が赤くなった
安田「今なんか、めっさ可愛い....」
「えっ」
私の顔がさらに赤くなっていく
安田「また、意地悪してるんと思われるんかなぁ」
そうボソッと言うとまたお城を作り続けたのでした
私の方は、どうしていいのか分からず
自分の気持ちと必死で向き合いながら彼の横で
作り続けたのです
時々、冗談を言う彼に砂をかけながら
砂まみれになって二人で作り上げていったのです
安田「できたぁ~っ」
「やりましたね」
私たちは、二人で作った城を見ながら
満足を感じていました
安田「俺ら天才かもあなぁ」
彼もそう言うと
自分たちの作品に満足してるようすでした
そんな彼を見て私は更に嬉しくなっていたのでした