第6章 力
そのお客はわき目もふらずに
カウンターにやってきました
「いらっしゃいませ」
店長はパソコンをチェックしていたので
私がそのお客を受けました
安田「間に合わんかと思ったわぁ」
彼は息を切らしながら小声で言った
私は、嬉しい気持ちを必死で抑えながら接する事にした
「はい、確認しました。 ありがとうございます」
私は笑顔で答えると
安田「海で待ってるから、来れたら来てな」
そう小声で伝えると
そのまま店から出て行ったのでした
私は、心の中で嬉しさのあまり叫んでいました
彼と過ごせる時間を手に入れたからでした
私はドキドキする気持ちと必死で闘いながら
ダッシュで帰る支度をしました
そして今度は私が息を切らしながら海に来ていた
彼が待っている場所に小走りで進んでいたからだ
しかし近づくにつれて不安になっていったのです
そろそろ彼のギターの音が聴こえるはずなのに
波の音以外は進んでも聞こえないのだった
安田さんは帰ってしまった?
今日はもう会えない?
不安な気持ちを抑えて二人の場所に行くと
彼は一人で城を作っていました
「安田さん.....」
私は、呼吸を整えながら声を掛けた
すると私の声に彼は砂だらけの顔を私に見せた
安田「お疲れ~っ」
子供みたいな彼に私は思わず笑ってしまいました
「安田さん、砂だらけですよ」
私は、カバンからハンカチを出して渡した
すると彼は私の前に掌を見せてハンカチを拒否した
安田「ええで、ハンカチが汚れてまうからぁ」
「そ、そんな事気にしなくていいのに...」
彼の行動に少し悲しくなっていた私は声が
小さくなった私に少しだけ彼は笑って
安田「出来上がったら借りるからさぁ」
「えっ?」
私は驚いて見ていると
安田「ほらぁ、一緒に作ろうやぁ」
そう言うと私の横の砂を叩き座れと指示をした
私は言われと通りに隣に座って
一緒にお城作りに参加しました