第47章 未来は
それから3年後
日本に戻って来た私は何よりもどこよりも先に
海に来ていた
そう、思い出の海に......
海岸に立っていると海は時間が経ってる事すら
嘘のように思える
あの時のと何も変わっていなかった
あの3年間私たちは
全く連絡を取っていなかった
たぶん彼も同じ気持ちだと思っていた
私は彼に連絡を取ると
悲しくなって心が負けてしまうから
取らずに頑張った
それがもし、別れになっても仕方ないと
私は思っていた
そんな事を考えてる時に
私の背後に人の気配をして振り返ると
「なんで、あんたは帰って来る日しか連絡しないの?」
同僚だった彼女が立っていた
「ごめんね、帰る日が急に決まってね」
「まぁ、今では有名な先生だもんね」
「まだまだだよ」
私は笑いながら海を見た
「先生じゃん、個展をするんでしょ?」
「うん、向こうで描いた作品なんだ
個展を最初にひらくのは日本でと思ってたから」
「なるほどね、頑張ったんだね」
彼女は一緒に海を見た
彼女も、この3年間で結婚していて
専業主婦になっていた
やはり時間は過ぎてると実感してしまう
「そっか、彼には私から
今日に帰って来ると連絡しといたからね」
「えっ」
私は驚いて彼女を見た
「いらない事だったかな?
でも、会いに行ってきなさい
待ってるかもよ」
私は小さく頷いた
そして、彼女を残して二人の場所に足を進めた