第46章 旅立ち
綺麗に四つに折られた手紙を広げると
真ん中に指輪があった
私は驚いて手紙を読んだ
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ゆめちゃんへ
見送りに行けんで、ほんまにごめんなさい
こんな彼氏じゃ未来は信じられんよな
でももし、金髪の男前に心奪われんで
日本に帰って来たら
また、俺の横で笑ってくれますか?
それまでに、俺は男としてもっと
事務所も世間も何にも言われんようにさ
ビックに有名になっててやるからさ
俺の事も忘れんといてください
その誓いの為に指輪を送ります
(ほんまは、直で指に入れたかったけど
俺はまだまだやから、こんな形で許してな)
誰よりも愛してます
安田章大
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もう、私の目からの涙を止める事は出来なかった
隣で彼女が私の肩を優しく抱きしめる
「信じていいんじゃない、未来をさ?」
私は無言で泣きながら頷いた
その私を彼女は見て微笑むと
「ほら、涙を拭いて
今からの旅立ちに涙はダメでしょう」
優しくハンカチで涙を拭いてくれた
私は彼女に涙を拭かれて落ち着いてきていた
大きなため息を一つ吐いて
彼からの指輪を左の薬指にはめてみた
彼の愛が伝わってくる
すると彼女が突然
「はい、ちょっとそのままね」
突然、私の指と私をスマホで写し始めたのでした
「安田さんにね、ちゃんと渡したって見せないとね」
そう笑いながら言いた
私もその言葉に笑顔で答えた
その時だった私の便の案内が聞こえてきた
私の心は突然に焦り始めた
「ねぇ、お願いがあるの」
「なに?」
「彼に素敵な人が現れなきゃ待ってて下さいて
伝えてくれる?」
彼女は嬉しそうに私に微笑みながら
「もちろん!」
「それじゃ、いってきます」
私は彼女に大きく手を振って
搭乗口に足を進め
私は、淡い思いと私の大切な人たちを残して
日本にさよならしたのでした
自分の選択は間違いないと信じて
私を思って色んな人が背中を押してくれた
選択を.......