第43章 変わるために
私は泣くだけ泣いて
もう、涙が出ないぐらい泣いた
私は、すっくと立ち上がり
その場でドレスを脱いで下着姿になった
夜の海で誰も居ないし
暗闇で誰にも見えなかったから
そして、ゆっくりと波打ち際まで歩くと
海の中に入って行った
私はどんどん沖に泳いで行く
夜の海は少し波が荒かったが
泳げない程ではなかった
泳ぎには少し自信があった
小学生の時にはスイミングを
習いに行ってたから
私は恋人の島に行こうと思ったのだ
今までの弱い自分を振り払うために
もし、一人で行けたら
きっと強い自分になれると
今までは彼に頼っていたから
これからは一人で頑張って夢を
掴まなきゃならないから
今回は自分だけで頑張りたかったのだ
私は自分のペースで泳いだ
しかし、沖に行けば行くほど
水は冷たくなっていく
その度に私の体力を奪っていく気がしてきた
でも、私は負けたくなかった
必ずたどり着きたかった
だから戻る事は考えていなかた
どのぐらい泳いだろ
少し泳ぐのを止めて島を確認したが
まだまだ遠かった
私は、荒い息で再び泳ぎだそうとした時
突然身体に力が入らなくなった
不味いと思った瞬間に
私の身体は水の中に沈んでいったのだ