第42章 授賞式
城の前に
綺麗な薔薇の大きな花束が置いてあった
私は震えながら薔薇の花束を手に持つと
手紙がはさんであり
私がそっと手紙を広げると
優しい文字が月明かりで見えた
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ゆめちゃん受賞、ほんまにおめでとう
その賞を取れへんで泣いてる人の為に
しっかりと夢を掴むんやで
負けんなよ!
安田章大
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涙が手紙に次から次へと落ちて
手紙を濡らしていく
私は薔薇を抱えながら泣き続けていた
彼は
ぐずぐずと躊躇してる私に喝を入れるために
わざと厳しくしたんだ
今日、先生が言ったように
私の夢をつぶさないように守ってくれたのだと
本当の優しさだったんだ
本当の愛だったんだと
涙で滲む薔薇を見ながら
私は彼の思いに答えるべきなんだと思った
絶対に答えて、夢を掴むと決意した
何よりも綺麗な薔薇を抱えながら
私は本当の愛を知った夜だったのでした