第42章 授賞式
授賞式が終わり
私は一人で海に来ていたのだ
綺麗なドレスを着ていたが
足のヒールは脱いで砂浜を歩いていた
そう、いつもの場所に向かっていた
もう、すっかり夜になっていて
月明かりでしか歩けなかったが
不思議と怖くはなかった
彼が聞かせてくれたメロディーを口ずさみながら
夜の海風を受けて歩いていた
自分の未来は自分で
決めなきゃならなかったのだ
どうなろうと一緒にいたいと思ったら
それで良かったのかも知れない
なのに私は自分では努力をせずに
彼に運命すら頼ろうとしたのだ
私は、笑っていた
自分の甘さに
一人で肩肘を張ってた時から考えたら
自分はどうしてしまったのか?
恋にのぼせてたんだと知った
それに笑えていたのだ
しばらく歩くと二人の場所にやって来た
いつも座る場所は暗闇で良く見えないが
私は違和感を感じていた
私はその場所を前にして
手に持っていたヒールを下に落としてしまった
そこには、また綺麗な砂の城があった
そして........