第42章 授賞式
先生は、私の作品にそっと優しくなでると
「これだけの作品を描ける君なら
相手の心を察してあげれるんじゃないかな?」
先生は優しく言った
「夢を掴める人は、一握りなんだよ」
話しが終わったのか背中を見せた
私はどうしても聞きたかった
だから大声で聞いた
「先生、夢を追いかけて正解だったんですか?
他の道は間違いなんですか?」
私の問いかけに
歩みを一瞬止めたが背中を見せたまま
「答え合わせは、何年か後になる
しかし人生とは正解も不正解もない
その道で何が出来るかじゃないかな?
私は君と一緒に勉強できる事を
楽しみにしているよ」
そう言うと人ごみに先生は
静かに消えて行った
その場に一人残された
私は自分の作品を見ていた
彼と私の事を考えてみた
描いていた時の気持ちを思い出していた
大きなため息を
自分たちの未来の正解を
先生の言った言葉の重みを感じていた
そして
道を選ぶ時間が来たと感じたのだ