第1章 【暁のヨナ】雨音ジェラシー ▶︎ジェハ
『ジェハ、体温高いのね。 あったかい。』
雨に濡れて、冷んやりとした小さな君の体には、
想像もし得ない大きなものを背負っている。
こんなにも、頼りなくて、危なっかしくて、
でもみんな君の真っ直ぐな瞳に動かされてしまう。
、、、、ぼくもね。
抱き支える腕につい力が入る。
『ジェハ、いたいっ』
「・・・・ちゃん、少しは温まったかい?」
『うん。ありがとう。・・・ジェハ?』
「ん?」
『・・・・・くるしい』
放したくない。
こんな小さな女の子にこんな感情抱くなんて、
僕らしくもない。
ちゅ・・・
『!!!!???』
「ねぇ、ちゃん、手が冷たいよ?」
小さな手にできた小さな傷を癒すように
小さなキスを何度もする。
『ジェハ!変な事をしないで!!!』
「変なことって、何かな。」
『・・・・・・こ、こういうことよっ』
何もわからないような顔で、
もう片方の手もとって、冷たい掌にキスを落とす。
ちゅ・・ちゅ・・・ちゅ・・・・
困っている彼女の表情が狂いそうなほど愛おしい。
顔を真っ赤にして、振り解こうとするけれど、
僕にはそんなの抵抗にならない。