第3章 1.合宿しようよ!
全国クラスの選手がそろっている先輩チームでも、キセキの世代とさん有する天才チームには敵わない。各チームが奇襲を仕掛けたりして奮闘するも、圧倒的な力の前では意味を成し得ていなかった。そしてあっという間に僕達の番になった。これが今日最後の試合となる。
「疲れたッスー!ちょっと休憩しよーよー!」
「ダメだ。それでは意味がない」
「赤ちんはいいよねー。ちんと交代して出てるんだしー」
「ばかめ。この2人は審判をしたり動きをチェックしたりしているのだよ。俺達以上に頭も体も使っている。泣き言を言う暇があれば体を動かせ。これが最後なのだよ」
「いつにも増して饒舌だなァ、緑間。ま、俺は余裕だけどよ。それに黄瀬、お前はテツと1番交代してるだろ」
『そうだよー。真ちゃんの言う通り、これが最後なんだから頑張ろう?』
全く…化け物ですか、この人たちは。それぞれ1Qのミニゲームだとしても動きは激しい。黒子さんがいて交代もしているけどそれはほんの少し。最初のダッシュの時にも感じたけど、この人たちとは体のつくりが違う。口では疲れたなんて言ってるけど、表情からはまだ余裕のように見える。
翔也「ったく、化け物かよ」
亮介「奇遇ですね、僕も同じ事を思ってました」
裕太「とにかく俺達が最後だ。今までのプレイから大体の動きは分かっただろう。あの人たちだって人間だ、今までで1番疲労している。勝つなら俺達しかいない」
栞「私は勝つ気満々だよ?先輩に勝てたら認めてもらえるし」
佳苗「わ、私は…頑張ります」
同期の実力は評価している。橋田君の言う通り、勝てるとしたら今しかない!
試合が始まった。今回のPGはさんだ。無駄のない、完璧なプレイ。そしてあの紫原先輩を始め、癖のあるキセキの世代を無駄なく動かす統率力。この人は別格の強さだ。
『富岡君』
亮介「!?は、はい!」
『富岡君は富岡君の良さがある。無理にキセキに合わせなくてもいいから、自分のやりやすいようにやってみて』
ゲームの途中でもアドバイスをくれる。僕はきっとさんには敵わない。だけどそれでもいい。
それなのに紫原先輩ときたら後輩の面倒は見ない、アドバイスもくれない、僕を…見てくれない。
試合はやっぱりキセキの世代の圧勝で幕を閉じた。