第17章 ◆花イチ匁
「 じゃーんけーん、ぽいっ!」
「 ぁ、また負けちゃった。」
「 うっほーい!さなちゃん貰いー!」
ジャンケンに負け、しゅんとするさなを
まるでどこぞの悪者かのように連れ込む西村。
「 西村、始まってからずっと
さなちゃんばっかり指名してるじゃないか。」
「 別にいいだろ!
ゲームなんだから、」
こうして、男子の
さな、実代の取り合いとも思えるゲームに
イライラを募らせている笹田が
爆発するのはもう少し後のこと。
夏目は、初めてする花一匁に
心から笑い楽しんだ。
ー・・・レイコさんも、
こうやって遊びたかったのだろうか。
そんなことを少しだけ感じながら。