第14章 ◆誕生ノ日
・・・偶には息抜き。
その言葉から
さなの体だけでは無く
気持ちの面でも夏目は労っているのだと
さなは直ぐに理解した。
「 夏目先輩・・・」
そこまで案じてくれている夏目に対し
さなは熱くなる感情を抑え
ニコリと微笑んだ。
「 ・・・ありがとうございます、夏目先輩。
私も参加したいのですが
明後日は用事があって
どうしても、行けないんです。
・・・だけど、
その用事が終わった後に
もし、まだ皆が集まっていたなら
是非
私も合流させてください。」
夏目を見ていれば自然と出る言葉。
それは、
先程の無茶苦茶な嘘ではない
本当の事であって、さなの本心。
既に多軌とは接触していて
明後日は
後に合流するのも計画済み。
しかし、
夏目に喜んで貰う為に
サプライズをする上で
敢えて言わない言い回しで。
そうニコリとさなが笑えば
夏目も釣られてふっと笑った。
「 ・・・そうか。
じゃあ、待っているよ
さなの用事が終わるのを。」
「 はい、
楽しみにしていますね。」
夏目の笑顔に
何処か心が落ち着くさな。
その夏目を前に
明後日が楽しみになるのは事実で
ー・・・絶対にサプライズ成功させるんだから!
そう意気込まざるを得なかった。